給与ファクタリングはなぜ違法とされるのか|事業者向けファクタリングとの違い
この記事の要点。
- ・金融庁は、給与を買い取り、労働者本人から資金を回収する事業は貸金業に該当すると説明しています。
- ・金融庁は、貸金業登録のない給与ファクタリング業者を「違法なヤミ金融」として注意喚起しています。
- ・事業者向けファクタリング(売掛債権の買取)とは対象・利用者・法的扱いが異なり、当サイトは給与ファクタリングを掲載していません。
給与ファクタリングとは
給与ファクタリングは、労働者個人が勤務先から受け取る予定の給与(賃金債権)を業者に買い取らせ、手数料を差し引いた現金を先に受け取る取引を指します。「借金ではない」「債権の売買だから貸金業ではない」といった説明で勧誘されることがありますが、公的機関の見解はこれと異なります。
なぜ貸金業に該当するとされるのか
金融庁は、業者が給与を買い取る形で金銭を渡し、その後に労働者本人から回収する事業は貸金業に該当すると説明しています。無登録業者による高額な利息や違法な取り立ての被害に加え、受け取れる給与が減ることによる生活の悪化にも注意を促しています。なお、給与債権の買取を伴わない給与前払いサービスは、同じものとして扱いません。
事業者向けファクタリングとの違い
事業者向けファクタリングは、事業として発生した売掛債権(企業間取引の入金予定)を対象とする資金化の手段で、広く利用されています。給与ファクタリングとは次の点で異なります。
- 観点対象となる債権
- 事業者向けファクタリング事業の売掛債権(企業間取引)給与ファクタリング個人の賃金債権(給与)
- 観点利用者
- 事業者向けファクタリング法人・個人事業主給与ファクタリング労働者個人
- 観点法的な扱い
- 事業者向けファクタリング債権譲渡による資金化として利用されている給与ファクタリング給与を買い取り本人から回収する事業は貸金業に該当。無登録営業は違法
- 観点当サイトの扱い
- 事業者向けファクタリング比較DBの対象給与ファクタリング掲載対象外
巻き込まれないための確認ポイント
個人向けに「給与の前払い」「即日現金化」をうたう勧誘に接した場合や、事業者向けと称する契約でも内容に不安がある場合は、次の点を確認してください。
- ・個人の給与を対象とする「買取」の勧誘は、貸金業登録の有無にかかわらず利用しない(金融庁が注意喚起している領域です)
- ・事業者向けの契約でも、償還請求権・買戻特約つきの契約は実質的な貸付にあたるおそれがあります(偽装ファクタリング)
- ・契約書・手数料の内訳・契約形態が不透明な場合は、契約前に専門家(弁護士等)への確認を推奨します
公的な相談窓口
既に契約してしまった場合や、悪質な取り立てを受けている場合は、ひとりで対応せず公的な窓口に相談してください。
- ・金融庁 金融サービス利用者相談室(違法な金融業者に関する情報受付)
- ・警察相談専用電話「#9110」(取り立て・脅迫など緊急性がある場合は110番)
- ・消費者ホットライン「188」(消費生活センター等への相談)
参考・出典。
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」確認日:2026-09-19
- 金融庁「給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!」確認日:2026-09-19
よくある質問
Q. 給与ファクタリングはすべて違法ですか?
金融庁は、給与を買い取り、労働者本人から回収する事業は貸金業に該当すると説明しています。貸金業登録なくこれを行う業者は違法であり、金融庁はヤミ金融として注意喚起しています。個人としては、登録の有無を問わずこの形の取引を利用しないことを推奨します。
Q. 事業者向けのファクタリングも違法なのですか?
事業の売掛債権を対象とする通常のファクタリングは、債権譲渡による資金化の手段として広く利用されています。ただし、償還請求権や買戻特約がある契約は実質的な貸付にあたるおそれがあるため、契約形態の確認が重要です。
Q. 個人事業主の売掛金の資金化は給与ファクタリングになりますか?
なりません。個人事業主が事業の取引で保有する売掛債権の売却は事業者向けファクタリングの領域です。対象が「事業の売掛債権」か「個人の給与」かで全く異なります。
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